つつ

つつ
I
つつ
(接助)
〔完了の助動詞「つ」を重ねたものからといわれる。 反復・継続を表すのが原義〕
動詞および動詞型活用の助動詞の連用形に接続する。
(1)動作・作用が継続して行われることを表す。 現代語では「つつある」の形をとることが多い。

「目下調査し~あるいくつかの事件」「あらたまの年の緒長く住まひ~いまししものを/万葉 460」

(2)同時に行われる二つの動作を結びつける。 (ア)一方の動作と同時に他の動作も行われることを表す。 …ながら。

「富士を左に見~, 東京に向かう」「国民の意向も反映させ~, 政治を行うべきだ」「かくあるを見~, こぎゆくまにまに/土左」(イ)互いに無関係な, また相反する二つの動作・作用を結びつける。 「にもかかわらず」の意。 現代語では「つつも」の形をとることが多い。 …ながらも。 「無駄と知り~, 神仏に頼る」「高めの球はあぶないと注意し~も, つい投げてしまった」「君が聞き~告げなくも憂し/万葉 4207」

(3)動作・作用が繰り返し行われることを表す。

「等身に薬師仏をつくりて, 手あらひなどして, 人まにみそかに入り~, …身をすてて額(ヌカ)をつき祈り申すほどに/更級」

(4)(和歌において, 「つつ」止めの形で)詠嘆の意をこめて表す。

「山里は秋こそことにわびしけれ鹿の鳴く音(ネ)に目をさまし~/古今(秋上)」

(5)単純な接続を表す。

「て」とほとんど同義。 「庭の千種(チクサ)露おもく, 籬(マガキ)にたふれかかり~, 外面(ソトモ)の小田も水こえて/平家(灌頂)」

II
つつ【伝つ】
伝える。

「神代より言ひ~・て来らく/万葉 894」

III
つつ【筒】
(1)丸く細長く中がからになっているもの。 くだ。 管。
(2)銃身。 砲身。

「~先」

(3)小銃。 大砲。

「大~」「捧げ~」

(4)井戸がわ。 井筒(イヅツ)。
(5)轂(コシキ)の異名。
(6)俵にさしこんで米や麦を出すために用いる, 先をとがらせた竹。 米さし。
(7)酒などを入れる竹筒。 ささえ。
(8)和船で, 帆柱の受け材。
帆筒
IV
つつ【鶺鴒】
セキレイの古名。

「あめ, ~, 千鳥/古事記(中)」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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